専門家コラム

個性溢れる緊急車両たち〜Rescue World Premium Carsをレビュー〜

今回の新製品である「Rescue World Premium Cars 6-asst.」は、世界中で活躍する緊急車両を集めたコレクションです。

 

緊急車両というと生活の中では事務的なクルマを想像してしまいますが、マジョレットが題材に選んだモデルはスポーツカーがベースだったり個性的な車種だったりと華やかなモデルばかり。実在の車両をモチーフにしたものもあれば、マジョレットの遊び心が発揮された架空の仕様もあります。それぞれにどんな背景があるのか、レビューしていきましょう。

 

この記事の著者

平久江 春輝(ひらくえ はるき)

平久江 春輝(ひらくえ はるき)

自動車雑貨・ミニカー専門店「ヒラク堂」店主。ミニカーをはじめ、玩具や模型、カタログなどの紙物、雑貨に至るまで、自動車にまつわる「モノ」全般を探求対象とし、幅広い見識を持つ。
ミニカーから自動車のカタログまで扱うフリーマーケット「カーサブカルマーケット」の運営に携わるなど、クルマ文化を愛するさまざまなジャンルの人々が、互いの「好き」を共有し合う場所作りにも精力的に取り組んでいる。

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「Rescue World Premium Cars 6-asst.」収録モデルをレビュー

 

ここからは、アソートに収録される6台をそれぞれの背景とともに紹介していきます。

 

■アルピーヌ A110 S

 
アルピーヌ A110 S ジャンダルムリ仕様
 

「ジャンダルムリ」と呼ばれるフランスの国家憲兵隊が使用する実在車両をモチーフとしています。

 

フランスの警察組織は国家憲兵隊と国家警察に分かれており、主として前者が地方部、後者が都市部と業務分担していることが特徴です。アルピーヌのようなスポーツカーは地方へ伸びる高速道路へ配備されるため、国家憲兵隊に採用される傾向があります。

 
アルピーヌ A110 S の全体
 

マジョレットではバリエーションとして「アルピーヌ A110 R」が既にリリースされており、お持ちの方は一緒に揃えるとコレクションに深みが増すでしょう。

 
アルピーヌ A110 R
 

今回はこの既存金型をベースに「アルピーヌ A110 S」のジャンダルムリ仕様を可能な限り再現。実車同様にウィングレスとして小さな青色灯を追加する等、フランス車にこだわりを持つマジョレットの魅力が詰まった1台に仕上がっています。

 
 

■フォード F-150 ラプター

 
フォード F-150 ラプター
 

車体に書かれた番号112はヨーロッパで広く使われるエマージェンシーコールで、この車両はフィンランドのヘルシンキ市救助隊に配備される消防車。

 
フォード F-150 ラプターのカラーリング
 

実車は同じフォードのピックアップトラックながらひと回り小型なレンジャーを使用していますが、マジョレットではそのカラーリングをフルサイズの「フォード F-150 ラプター」に落とし込み再現。迫力ある車格でモデル化することで、緊急車両としての凄味が増した印象を受けます。

 

実車に忠実という意味では魅力に欠けるかもしれませんが、ミニカーになることが稀なフィンランドの消防車両はファンにとって嬉しい製品化といえるでしょう。

 
 

■ダッジ チャレンジャー SRT ヘルキャット

 
ダッジ チャレンジャー SRT ヘルキャット
 

車体の番号911はアメリカとカナダを中心とした北米地域のエマージェンシーコール。警察車両のカラーリングは州や機関により異なりますが、このモデルのような黒基調に白を配した意匠は多く目にすることができます。

 

マジョレットは特定の車両を再現したものではありませんが、「ダッジ チャレンジャー SRT ヘルキャット」がベースのポリスカーは全くのファンタジーではなく、テキサス州ハイウェイパトロールに実在します。

 
ダッジ チャレンジャー SRT ヘルキャットのマット塗装
 

とはいえ黒塗装をマット(つや消し)にコーディネートするあたりはカスタムカー的で、マジョレットが表現するクールな佇まいといった趣きでしょうか。

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■ランボルギーニ ウラカン

 
ランボルギーニ ウラカン
 

「ランボルギーニ ウラカン」の警察車両はイタリア国家警察に実在するものが有名ですが、マジョレットではアメリカのポリスカーを思わせる架空のカラーリングで登場。しかしながら、フロリダ州のマイアミビーチにおいて慈善活動用として同車をポリス仕様にした車両が存在したこともあり、想像力が掻き立てられる1台となっています。

 
ランボルギーニ ウラカンとダッジ チャレンジャー
 

同じコンセプトのチャレンジャーと揃えると抜群の雰囲気。理屈抜きで愉しむミニカーとしてかっこいいです。

 
 

■トヨタ 86 GT

 
トヨタ 86 GT
 
トヨタ 86 GT の左ハンドル仕様の内装
 

アソート内で唯一の日本車となる「トヨタ 86 GT」は、警視庁のパトロールカーをモチーフとしています。ワールドワイドなラインナップの中にある日本のカラーリングだけに、多くのファンにとって最も気になる存在ではないでしょうか。

 

86のパトロールカーはイベント用にデコレーションを施した車両が前期型に実在するものの、マジョレットのモデルは後期型。さらに左ハンドルの輸出仕様で、もちろんこのような警察車両は存在しません。

 

しかしながら、海外では日本のパトロールカーのカラーリングが“JDM”のアイコンと認識されている側面があり、それをモチーフとしたカスタムカーが制作されることもあります。そんな視点で見ると、このモデルの魅力が一層引き立つように思えるのです。

 
 

■フォルクスワーゲン ID. BUZZ

 
フォルクスワーゲン ID. BUZZ
 

フォルクスワーゲンの本拠地ドイツにおいて実在する救急車両がモチーフ。2022年のフランクフルトモーターショーで発表された参考出品車で、現在のところ導入実績はないようですが、架装を担当するBosenberg社はこの車両を市販しています。

 
フォルクスワーゲン ID. BUZZ のグラフィック
 

ベースとなる「フォルクスワーゲン ID.BUZZ」は電気を動力源とするEVのミニバンで、その特徴を表現した充電プラグが波形となるグラフィックがコミカル。

 

大きく書かれたドイツ語の「NOTARZT」は救急医のことで、すなわち緊急時に医師が処置に当たるドクターカーを意味します。ドイツでは救急救命士が乗る救急車と医師が乗るドクターカーは明確に区別されており、必要によって2台が同時に出動することもあります。

 
 

世界の社会が垣間見える「Rescue World Premium Cars」

 

さて、こうして集めていくとマジョレットを通して世界の国々の社会が垣間見える「Rescue World Premium Cars 6-asst.」

 

緊急車両は各国とも行政機関の顔であり、土地にゆかりがあったり話題性のあるクルマが務めることも多いのです。日本では単調なカラーになりがちながら、例えばヨーロッパの機関や役割によって違う鮮やかな車両はミニカーとしても色彩の魅力に溢れています。

 

ベースとなった乗用車と揃えて並べるだけでもコレクションが俄然充実するので、バリエーション集めを楽しむならマストなシリーズだと思います。

 

「Rescue World Premium Cars 6-asst.」はマジョレットミニカー公式オンラインショップでチェックできます。ぜひお気に入りの1台を見つけてみてください。

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